葬儀屋さんの仕事とは?葬儀屋さんの仕事内容からやりがい、使える資格まで解説|葬祭ジョブ

葬儀屋さんの仕事とは?葬儀屋さんの仕事内容からやりがい、使える資格まで解説

葬儀の仕事に興味がある、また葬儀屋さんへの転職を考えているという方の中には、実際の仕事内容が分からず踏み切れない、という場合も多いのではないでしょうか。

今回は、葬儀屋さんが行う仕事の内容やその流れ、資格の必要性などについて紹介します。また、気になる年収や休日について、男女比など、面接では深く聞きにくいこともまとめています。事前に葬儀の仕事を知って、葬儀業界への就職や転職への不安を減らしましょう。
葬儀屋とは
葬儀屋さんはご遺体の管理や、葬儀の段取り、進行する役割を担います。大切な人を亡くした遺族のサポートを含め、依頼があった段階からお通夜の手配、葬式の手配などを滞りなく行えるように対応します。

葬儀屋さんは事業者によって規模が異なり、行っているサービスの幅もそれぞれです。また、宗派や地域、各社葬儀屋さんによって、葬儀の流れや対応すべき業務の捉え方も異なります。このように、業務内容は事業者ごとに差があるため、転職や就職を検討する際には応募先の業務内容をきちんと確認し、他の葬儀屋さんとの違いを把握しておくことが必要です。
葬儀屋さんの仕事内容
大切な人の死を目の前にした遺族は、例え覚悟をしていたとしても気が動転してしまったり、何も手につかなくなってしまったりするケースも珍しくありません。葬儀屋さんは、そんな遺族の負担をできるだけ軽くし、お別れのための時間がしっかりと持てるようにお通夜やお葬式の段取りをしていきます。

お客様から葬儀の依頼があった場合、葬儀屋さんは大きく分けて以下の7つの流れに沿って仕事を行います。
1. 葬儀の依頼を受ける
2. ご遺体の搬送・安置
3. お通夜・お葬式内容の打ち合わせ・見積もり
4. お通夜の手配
5. 葬儀・告別式の手配
6. 葬儀・告別式終了後のサポート
7. その他対応する葬儀の仕事
葬儀屋さんの仕事は、葬儀の依頼の有無により多忙な時とそうでない時の差が激しい仕事と言えます。人が亡くなるタイミングは時間を問わず起こりうることなので、基本的に葬儀屋さん自体は24時間体制です。

深夜にお亡くなりになった場合、夜から朝にかけて準備に追われるというケースもあります。多忙な時期は連日複数の葬儀をこなすなど、とても忙しくなりますが、その一方で葬儀が立て続けに入らない時の業務は比較的ゆるやかです。
1.葬儀の依頼を受ける
不幸があると、故人の遺族や提携している警察、病院、介護施設などから連絡が入ります。お迎えの時間を打ち合わせ、間に合うように寝台車を手配し、遺体を保全するためにドライアイスを用意してお迎えにあがります。
2.ご遺体の搬送・安置
安置とは納棺までの間、ご遺体を置いておくことをいいます。場所は、自宅を選択される場合もあれば、そのまま葬儀社や斎場の安置室を選ばれることもあります。ご遺体を清めて保全のための環境を整え、お供えものを準備するなどして安置します。その後、遺族と相談しながらお通夜の準備や霊柩車、火葬場の手配などの一連の段取りを行っていきます。
3.お通夜・お葬式内容の打ち合わせ・見積もり
お通夜やお葬式全般の打ち合わせでは、希望の聞き取りを行った上で見積書を作成し、同意を得て式の準備にとりかかります。その後、要望にあわせて式場や火葬場などの確保を行い、お寺やお花、料理、香典返しといった各種協力会社への手配もします。
4.お通夜の手配
お通夜は自宅、あるいは地域の集会所、斎場などを選ばれるケースが多いです。式が始まるまでに会場の設置などの準備をすべて済ませて、ご遺体を納棺し、会場へ運びます。お通夜中は司会進行をつとめ、その後お葬式の打ち合わせを行います。
5.葬儀・告別式の手配・進行
お通夜が終わると、翌日の葬儀に備えて会場の準備に入ります。当日は複数人で分業制をとり、役割分担しながらすすめていきます。会場設営や、弔問客の案内、司会進行などを行い、葬儀・告別式全体の進行をサポートします。
6.葬儀・告別式終了後のサポート
葬儀・告別式が終わると、出棺にて火葬場へ故人と遺族、弔問客は向かいます。その間、場内を片付けて、精進落としの会食準備に入ります。 精進落としがお開きになる前に、遺影や骨壺を持ち帰れるように整え、遺族を見送ります。葬儀後はご自宅に同行し骨壺の安置を行い、事務所に戻って事務作業をして一連の仕事が完了します。
7.その他対応する葬儀の仕事
葬儀屋さんの仕事は、ご遺体の搬送からお葬式までだけではありません。特に多いのが、仏壇の手配や喪中はがきの作成、相続など、葬儀後のアフターフォローです。

近年では終活の1つとして「自分が亡くなった時のことを自分で決めておく」という方も多く、お葬式についての事前相談を受けることもあります。ただし、アフターフォローの内容や各種相談については、葬儀屋さんによって対応する内容が異なるため、業務範囲にも差が生じます。
葬儀屋さんに資格は必要?
一般的に葬儀屋さんの仕事には、必須となる資格はありません。そのため、無資格でも就職することは可能です。しかし葬儀に関する民間資格が複数あるので、これらの資格を持っていた方が仕事の幅が広がったり、転職の際のアピールポイントになります。
■葬祭ディレクター技能審査
厚生労働省認定の試験です。葬儀に関する一定の知識や技能があることが証明できるため、葬儀屋さんで働く上ではとても重宝されます。1級と2級があり、葬儀業界で2年以上の実務経験を経て2級の受験資格が得られます。1級は2級取得後、2年間の実務経験を経て受験するか、5年以上の実務経験を経て受験する方法があります。
■グリーフケアアドバイザー
一般社団法人日本グリーフケア協会が認定している民間資格です。大切な人を亡くした遺族の悲しみや、それに伴う反応を理解し、回復をサポートする役割を担います。グリーフケアアドバイザーの資格には2級・1級・特級の3種類があり、認定講座に参加することで資格を得ることができます。
■仏事コーディネーター
仏壇や仏具、法事に関する仏教の知識を有していることが証明できる資格です。宗教用具を扱う事業所を経営している方、ならびにその従業員であれば受験資格が与えられます。お葬式を終えた遺族が仏壇や法事などの相談に来ることも多いため、アフターフォローをしている葬儀屋さんでは、この資格を持っていると活躍の場が広がります。
■お墓ディレクター
一般社団法人 日本石材産業協会が認定する資格で、お墓に関する様々な知識を持っていることが証明できます。1級と2級があり、検定試験に合格する事で取得することが出来ます。お墓の歴史や文化をはじめ、種類や形状の違い、石材の加工法、お墓を建てる上での法律上の手続きなど、幅広い知識と教養を問われます。
■終活カウンセラー
一般社団法人終活カウンセラー協会が認定する資格です。初級、上級、上級インストラクターの3つの種類があり、いずれも筆記試験などが行われます。終活に関する全般的な知識をもち、生前から葬儀について相談したい人などへのアドバイスができます。人とのコミュニケーション技術も問われる資格です。葬儀についてだけでなく、エンディングノートの書き方やお墓についてなど、幅広い相談にのることができます。
葬儀屋さんの仕事のやりがい
葬儀屋さんは、ふだんあまりなじみのない職業かもしれませんが、やりがいを感じる仕事でもあります。
・遺族から感謝される
・葬儀をすべて終え、故人を無事に見送れたとき
・遺族の力になれる
・いい仲間と協力して仕事を達成できたとき
葬儀屋さんは、人生の最期を見送る大切な機会をサポートする仕事です。24時間対応をしているともちろん大変なこともありますが、遺族の力になれたり、葬儀をすべて終えて無事に故人を見送ることができたときには、大きな達成感が得られるでしょう。

また、葬儀屋さんの仕事は仲間と協力しながらつくりあげるものです。お互いに協力して遺族に喜ばれる葬儀ができた時には、喜びもひとしおです。
葬儀屋さんの年収・給料はどのくらい?
仕事を選ぶ上では、お給料も気になるポイントですよね。一般的な葬儀屋さんの初任給、年収、給料の相場を解説いたします。
・葬儀屋さんの初任給相場 約20万円
・葬儀屋さんの給料相場  約28~30万円
・葬儀屋さんの年収相場  約300~500万円
葬儀屋さんの仕事は、スキルを磨けば給与アップも見込める職種です。初任給については、新卒あるいは未経験の場合の相場ですので、経験者の場合は約20万円~25万円程度になることが多いです。

また、葬祭ディレクターの資格を取得していれば、30万円前後も期待できます。しかし、大手の葬儀社と個人経営の葬儀社とでは給与形態が異なる傾向にあるため、正式にはそれぞれの求人情報を確認しましょう。すぐにでも人材確保をしたいと願っている職場であれば、各種手当てによって給与アップが見込める可能性もあります。
葬儀屋さんの仕事の休み事情
葬儀屋さんの仕事は24時間対応することが多いとご紹介しました。そこで気になるのは休み事情。きちんと休みが確保できるのか気になりますよね。葬儀屋さんの休みのとりかたの基本は以下の2点です。
・ひと月の休日数は会社規模によるが基本はシフト制
・基本的には葬儀のない「友引」が休日となることが多い
ひと月のうち何日休みがとれるのかは、会社により異なりますが、基本はシフト制です。葬儀の依頼がほとんど入らない「友引」が休日になることが多いです。しかし、葬儀が複数入るなど、急な出勤もありえるため、事前に確認が必要です。
女性でも葬儀屋さんの仕事はできる?
葬儀屋さんは力仕事や夜勤もあるため、男性中心の仕事と思われているかもしれませんが、実際には女性が活躍している葬儀屋さんもたくさんあります。葬祭ディレクターの資格をとり、第一線で仕事をしている女性も多くいます。女性ならではの柔らかい雰囲気や細かい気配りは、悲しみのなかにある遺族や弔問客を相手にする葬儀の現場でとても役に立ちます。
葬儀屋さんに向いてる人
「葬儀屋さんへの転職に興味はあるけど、自分は向いているのかな?」と気になる方もいらっしゃると思います。葬儀屋さんには次の6つに当てはまる人が向いていると言われています。
・仕事に対して真摯になれる人
・臨機応変に動ける人
・相手を思いやって細やかな配慮ができる人
・体力がある人
・仲間と協力できる人
・勉強熱心である人
葬儀屋さんは、悲しんでいる遺族を相手にする仕事です。そのため、常に相手に気配りや親身になる姿勢が必要です。仲間と協力して進行していく仕事でもあるため、周囲をよくみて臨機応変に対応する能力や、コミュニケーション能力も必要でしょう。

また、仕事内容として、不規則な勤務形態になる場合もあり、業務によっては力仕事もあります。夏場や冬場、自宅での葬儀やお通夜でも対応できる体力も求められます。

また、宗派により葬式の形式が違います。それぞれの宗派で覚えることも多いため、常に勉強する姿勢も大切です。
葬儀屋さんは大変だけれど遺族から感謝されるやりがいのある仕事
葬儀屋さんは、亡くなられた連絡を受けてからアフターケアまでの間、幅広く葬儀のサポートをする仕事です。決して楽な仕事ではありませんが、遺族からの感謝や葬儀を成し遂げた達成感など、やりがいを感じることができる仕事でもあります。

葬儀屋さんで働くための資格は特に必要ないため、体力や気遣い、葬儀に関する勉強への意欲があれば、就職・転職できる可能性があります。 葬儀の仕事に興味がある方はぜひ一度、応募してみてはいかがでしょうか?
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