今回お話を伺ったのは、福岡県内に8店舗を構える「株式会社のがみ」で働く皆さん。同社が運営する「善光会館 宗像会場」の店長 金丸修二さん、葬祭ディレクターの中野貢輝さん、そして事務の樋口行江さん、さらに葬祭ジョブスタッフをアテンドしてくれた管理本部 執行役員 部長の豊福祐治さんにもご参加いただき、仕事内容ややりがい、職場の雰囲気について伺いました。
左:事務 樋口行江さん
中央:店長 金丸修二さん
右:葬祭ディレクター 中野貢輝さん
まずは皆さんの仕事内容について教えてください。
中野:私は主に葬儀の施行を担当しています。葬儀が終わった後も、四十九日や一周忌、三回忌といった法要のご案内やお手伝いなど、アフターフォローも含めて年間を通して対応しています。加えて、夏場には初盆などのイベントもあります。
基本は宗像会場での勤務ですが、福岡県内に8店舗あるので、他の店舗で応援が必要な時は車で駆けつけることもあります。
金丸店長はどのようなお仕事をされていますか。
金丸:葬儀のお手伝いはもちろんですが、宗像エリアでのご依頼件数を増やすための取り組みも考えて実行しています。他にも出退勤の管理なども行っています。
事務担当の樋口さんはいかがですか。
樋口:日々の出納管理や請求書の発行、本社への送付といった経理業務が中心ですが、少人数の職場なので葬儀があれば現場のお手伝いもします。お斎(おとき:葬儀の後に行われる食事会)を出したり、宿泊部屋の掃除、互助会の挨拶訪問など、多岐にわたりますね。
皆さんがこの業界に興味を持ったきっかけを教えてください。
樋口:元々事務職の経験があり、家から近かったことと、「のがみ」が業界未経験者にも寛容な社風だったことが決め手でした。求人情報を見ると年間休日が84日と少なく見えて敬遠されがちかもしれませんが、実際に働いてみると、業務がない時は17時でさっと帰れることも多く、平日に休みを取れるのでどこに行っても空いていて快適なんです。
連休は取りにくい面もありますが、葬祭ディレクターのように24時間対応が必要な職種に比べて、私たち事務は定時で終われることも多く、意外と働きやすい仕事だと感じています。
金丸:私は、兄が交通事故で突然亡くなった時、まだ自分も若く、ご遺体に会わせてもらえなかったことがずっと心に残っていました。その体験が、自分と同じように突然の別れを経験するご家族の力になりたいという思いにつながって、この業界に飛び込むきっかけになりました。
中野:私は、以前は電気工事士として約10年間働いていましたが、友人がバイク事故で亡くなった際、そのお葬式で葬儀社の方々の姿を見て「かっこいいな」と思ったのが、葬祭業に興味を持ったきっかけです。突然の別れに戸惑うご遺族のそばで、淡々と、でも丁寧に寄り添うその姿に、胸を打たれました。
そこから本格的に転職を考えるようになり、葬祭ジョブさんに相談したんです。特に「のがみ」にこだわっていたわけではなかったので、九州や関西、京都方面など複数の会社をご紹介いただきました。
その中で「のがみ」を選んだのは、まず実家が長崎にあって九州内という地理的な近さがあったこと。そして何より、未経験者に対しても門戸が開かれていた点に大きな魅力を感じました。葬儀の現場で働いた経験はなかったですが、一から学びながら成長できる環境が整っていたことが、最終的な決め手でした。
電気工事士とは全く違う仕事だと思いますが、当初戸惑ったことや困ったことはなかったですか。
中野:もちろん最初は戸惑いました。それまではずっと機械やパソコンを相手にする仕事で、人と対面で話す仕事は初めてだったんです。特にこの業界は高齢のお客様と接することが多く、「若いけど大丈夫かしら」と思われているように感じることもありました。
業界の知識も全くなかったので、葬儀の流れひとつとっても何が必要で、何を準備するのかも手探り状態で、最初は不安の連続でした。それでも「まずは目の前のことに誠実に、ミスなく向き合おう」という気持ちでやってきましたし、今でもその姿勢は変わらず大切にしています。
金丸:「ゆるい」と言うと語弊があるかもしれませんが、それくらい社員一人ひとりの生活や心に寄り添ってくれる会社だと感じています。例えば、業務が終わっていれば無理に残る必要はなく、定時になれば「もう帰っていいよ」と声をかけられるような雰囲気があります。
以前働いていた葬儀社では、周囲の目を気にして帰りにくい空気もありましたが、のがみではそんなことはありません。
また、現場ではスタッフ同士の距離も近く、自然と会話が生まれる温かな空気があります。忙しいときには自然と手を差し伸べる文化があって、こうした柔らかさと人間味のある職場環境が、長く働きたいと思える一番の理由かもしれません。
樋口:コロナ以降、葬儀の形も変わり、残業も減りましたね。以前は20時近くまでお斎などがありましたが、今は随分働きやすくなりました。
スタッフの皆さんで食事に行かれたりすることはありますか。
中野:普段は365日営業していて、なかなかスタッフ全員の休みが揃わないのですが、年に2回、会社が「コミュニケーションの場を設けなさい」という方針のもと、会館ごとに食事会が開催されます。この会にはパートさんも含めて全員が参加します。これはとてもありがたい取り組みで、業務を離れて皆で和やかな時間を過ごせる貴重な機会です。ただし24時間体制の電話受付は続けているので、当番として一人はお酒を飲まずに呼び出しに備えて待機します。
他の会館のスタッフとの交流はいかがですか。
金丸:他の会館との交流はあまり多くはありませんが、応援業務があるので、仕事上で会う事はありますし、とてもフレンドリーな関係です。
こちらの店舗だと皆さん月に何件くらいのご葬儀を担当されているのでしょうか。
中野:平均して月に3件くらいですかね。2件の時もあれば4件のときもあるといった感じでしょうか。割と波があります。
金丸:それは正直、どうしてもありますね。やっぱり葬儀社もボランティアではないので、経営とのバランスは避けて通れません。昨今は物価も上がっていますし、「会社のために利益を確保したい」という気持ちと、「少しでもお客様の負担を軽くしてあげたい」という想いの間で揺れることも多いです。
ただ、当社では「お客様のためにできることはしよう」というスタンスが根幹にあるので、演出やサプライズなど、会社の経費でできる範囲のことは積極的に行っています。むしろ「そういったことはどんどんやっていい」と言ってもらえる環境です。
豊福:やはり、心に残るご葬儀をお届けしたいという気持ちは、会社としても強く持っていますので、感動していただけるような式になるよう、現場の判断を尊重しています。
金丸:実際に「これはきっと喜んでいただける」と思って用意した演出がぴったりハマると、お客様の表情がパッと明るくなる瞬間があって、そんな時は我々もとても嬉しい気持ちになります。もちろんうまくいかないこともありますけど(笑)、そういった一つひとつを丁寧に考えることが、この仕事の面白さでもあると思います。
中野:ただ、演出も押しつけになってしまうと本末転倒なので、あくまで「ご家族が用意できなかった部分を、こちらでそっと支える」というくらいの距離感を大事にしています。
どんな形がそのご家族にとってベストかは、本当に一組一組異なるんですよね。その違いを汲み取るのが、私たちの役割だと思っています。
地域の他の葬儀社さんと比べて、のがみならではの特長は何だとお考えですか。
金丸:他社は分業制が多い中、のがみは一貫担当制で、病院へのお迎えからアフターフォローまで同じスタッフが対応します。その分、お客様との信頼関係が深くなります。
樋口:「○○さんをお願いします」と名指しでお電話をいただくことも多くて、それだけ信頼いただけていることが嬉しいです。
この仕事にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。
中野:やはり、最初にご遺族とお会いしたときは、不安や戸惑いでいっぱいの方が多いです。そんな中で、葬儀の流れを丁寧にご案内し、少しずつ信頼していただけるようになる。そして、葬儀が終わった後に「今後のこともぜひ教えてください」と頼られたとき、「ここまでの対応がきちんと伝わったんだな」と感じられて、それが大きなやりがいになります。
金丸:私の場合は、お客様から名前で呼んでいただけるときですね。以前の職場では引き継ぎ制だったので、最後まで関われることが少なかったのですが、のがみでは最初から最後まで一貫して担当できるので、「金丸さんにお願いして良かった」と言ってもらえることが増えました。名前を覚えてもらえるって、それだけで心が通じ合った証のように感じられますね。
樋口:私は事務職ですが、お客様からご質問を受けることも意外と多いんです。ですから「もっと知識をつけたい」と思い、会社の制度を利用して葬祭ディレクターの資格を取得しました。そのおかげもあって、お客様からの質問にちゃんと答えられたときには本当に嬉しくなります。
葬祭ディレクター資格の取得は、会社として皆さんに促されているのでしょうか。
豊福:そうです。基本的には皆さんに受けてもらっています。資格を取得していただければ、それぞれの資格手当がお給与に乗りますし、費用も会社負担なので「ぜひ受けてね」というスタンスで取り組んでいます。また、人事制度上の昇格要件にも資格の取得が含まれているため、キャリアアップを目指す上でも重要なステップになっています。

それぞれの想いを胸に葬祭業界へ
本日はよろしくお願いします。まずは皆さんの仕事内容について教えてください。
中野:私は主に葬儀の施行を担当しています。葬儀が終わった後も、四十九日や一周忌、三回忌といった法要のご案内やお手伝いなど、アフターフォローも含めて年間を通して対応しています。加えて、夏場には初盆などのイベントもあります。
基本は宗像会場での勤務ですが、福岡県内に8店舗あるので、他の店舗で応援が必要な時は車で駆けつけることもあります。
金丸店長はどのようなお仕事をされていますか。
金丸:葬儀のお手伝いはもちろんですが、宗像エリアでのご依頼件数を増やすための取り組みも考えて実行しています。他にも出退勤の管理なども行っています。
事務担当の樋口さんはいかがですか。
樋口:日々の出納管理や請求書の発行、本社への送付といった経理業務が中心ですが、少人数の職場なので葬儀があれば現場のお手伝いもします。お斎(おとき:葬儀の後に行われる食事会)を出したり、宿泊部屋の掃除、互助会の挨拶訪問など、多岐にわたりますね。
皆さんがこの業界に興味を持ったきっかけを教えてください。

連休は取りにくい面もありますが、葬祭ディレクターのように24時間対応が必要な職種に比べて、私たち事務は定時で終われることも多く、意外と働きやすい仕事だと感じています。
金丸:私は、兄が交通事故で突然亡くなった時、まだ自分も若く、ご遺体に会わせてもらえなかったことがずっと心に残っていました。その体験が、自分と同じように突然の別れを経験するご家族の力になりたいという思いにつながって、この業界に飛び込むきっかけになりました。
中野:私は、以前は電気工事士として約10年間働いていましたが、友人がバイク事故で亡くなった際、そのお葬式で葬儀社の方々の姿を見て「かっこいいな」と思ったのが、葬祭業に興味を持ったきっかけです。突然の別れに戸惑うご遺族のそばで、淡々と、でも丁寧に寄り添うその姿に、胸を打たれました。
そこから本格的に転職を考えるようになり、葬祭ジョブさんに相談したんです。特に「のがみ」にこだわっていたわけではなかったので、九州や関西、京都方面など複数の会社をご紹介いただきました。
その中で「のがみ」を選んだのは、まず実家が長崎にあって九州内という地理的な近さがあったこと。そして何より、未経験者に対しても門戸が開かれていた点に大きな魅力を感じました。葬儀の現場で働いた経験はなかったですが、一から学びながら成長できる環境が整っていたことが、最終的な決め手でした。
電気工事士とは全く違う仕事だと思いますが、当初戸惑ったことや困ったことはなかったですか。

業界の知識も全くなかったので、葬儀の流れひとつとっても何が必要で、何を準備するのかも手探り状態で、最初は不安の連続でした。それでも「まずは目の前のことに誠実に、ミスなく向き合おう」という気持ちでやってきましたし、今でもその姿勢は変わらず大切にしています。
社員に寄り添ってくれる会社、手を差し伸べ合う文化が長期勤続の秘訣
のがみには、長く勤めている方が多いそうですが、その秘訣は何だと思いますか。金丸:「ゆるい」と言うと語弊があるかもしれませんが、それくらい社員一人ひとりの生活や心に寄り添ってくれる会社だと感じています。例えば、業務が終わっていれば無理に残る必要はなく、定時になれば「もう帰っていいよ」と声をかけられるような雰囲気があります。
以前働いていた葬儀社では、周囲の目を気にして帰りにくい空気もありましたが、のがみではそんなことはありません。

樋口:コロナ以降、葬儀の形も変わり、残業も減りましたね。以前は20時近くまでお斎などがありましたが、今は随分働きやすくなりました。
スタッフの皆さんで食事に行かれたりすることはありますか。
中野:普段は365日営業していて、なかなかスタッフ全員の休みが揃わないのですが、年に2回、会社が「コミュニケーションの場を設けなさい」という方針のもと、会館ごとに食事会が開催されます。この会にはパートさんも含めて全員が参加します。これはとてもありがたい取り組みで、業務を離れて皆で和やかな時間を過ごせる貴重な機会です。ただし24時間体制の電話受付は続けているので、当番として一人はお酒を飲まずに呼び出しに備えて待機します。
他の会館のスタッフとの交流はいかがですか。
金丸:他の会館との交流はあまり多くはありませんが、応援業務があるので、仕事上で会う事はありますし、とてもフレンドリーな関係です。
こちらの店舗だと皆さん月に何件くらいのご葬儀を担当されているのでしょうか。
中野:平均して月に3件くらいですかね。2件の時もあれば4件のときもあるといった感じでしょうか。割と波があります。
この仕事のやりがいとは?
ご葬儀の見積作成の際に、会社の方針とお客様の間での葛藤はありますか。金丸:それは正直、どうしてもありますね。やっぱり葬儀社もボランティアではないので、経営とのバランスは避けて通れません。昨今は物価も上がっていますし、「会社のために利益を確保したい」という気持ちと、「少しでもお客様の負担を軽くしてあげたい」という想いの間で揺れることも多いです。
ただ、当社では「お客様のためにできることはしよう」というスタンスが根幹にあるので、演出やサプライズなど、会社の経費でできる範囲のことは積極的に行っています。むしろ「そういったことはどんどんやっていい」と言ってもらえる環境です。
豊福:やはり、心に残るご葬儀をお届けしたいという気持ちは、会社としても強く持っていますので、感動していただけるような式になるよう、現場の判断を尊重しています。
金丸:実際に「これはきっと喜んでいただける」と思って用意した演出がぴったりハマると、お客様の表情がパッと明るくなる瞬間があって、そんな時は我々もとても嬉しい気持ちになります。もちろんうまくいかないこともありますけど(笑)、そういった一つひとつを丁寧に考えることが、この仕事の面白さでもあると思います。

どんな形がそのご家族にとってベストかは、本当に一組一組異なるんですよね。その違いを汲み取るのが、私たちの役割だと思っています。
地域の他の葬儀社さんと比べて、のがみならではの特長は何だとお考えですか。
金丸:他社は分業制が多い中、のがみは一貫担当制で、病院へのお迎えからアフターフォローまで同じスタッフが対応します。その分、お客様との信頼関係が深くなります。
樋口:「○○さんをお願いします」と名指しでお電話をいただくことも多くて、それだけ信頼いただけていることが嬉しいです。
この仕事にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。
中野:やはり、最初にご遺族とお会いしたときは、不安や戸惑いでいっぱいの方が多いです。そんな中で、葬儀の流れを丁寧にご案内し、少しずつ信頼していただけるようになる。そして、葬儀が終わった後に「今後のこともぜひ教えてください」と頼られたとき、「ここまでの対応がきちんと伝わったんだな」と感じられて、それが大きなやりがいになります。

樋口:私は事務職ですが、お客様からご質問を受けることも意外と多いんです。ですから「もっと知識をつけたい」と思い、会社の制度を利用して葬祭ディレクターの資格を取得しました。そのおかげもあって、お客様からの質問にちゃんと答えられたときには本当に嬉しくなります。
葬祭ディレクター資格の取得は、会社として皆さんに促されているのでしょうか。
豊福:そうです。基本的には皆さんに受けてもらっています。資格を取得していただければ、それぞれの資格手当がお給与に乗りますし、費用も会社負担なので「ぜひ受けてね」というスタンスで取り組んでいます。また、人事制度上の昇格要件にも資格の取得が含まれているため、キャリアアップを目指す上でも重要なステップになっています。