縁やつながりを重視したサービスの数々。花安のこだわりに迫る。
公開日:2023-06-08
今回のインタビューは新潟県新発田市の株式会社花安 渡辺社長です。
様々な事業を幅広く手掛けている同社ですが、首都圏では見られない広い葬祭場をはじめとする、葬儀関連事業も特徴的です。
今回は広々とした式場を実際に見学させていただきお話を伺いました。
株式会社花安
代表取締役社長 渡辺 安之さん
高校教師から家業である葬儀社での葬祭ディレクターに転身。
葬儀に囚われない様々な事業に挑戦している。


IT化で情報共有はらくちん!リスクヘッジにも繋がった

ここまでお話を伺って、貴社はお客様との距離がとても近いと感じました。
お客様の応対をする際に大切にされていることはありますか。

渡辺:1度でも葬儀のご依頼をいただいたお客様は、データベースにすべての情報を残しています。
葬儀の際に誰が担当したかはもちろん、どんな内容でご依頼をいただいたか、お呼びした参列者様のデータなども記録しています。
少し珍しいものでは、その日お出ししたお料理のメニューも残しています。

ですから、再度ご依頼をいただいた際に「前回はこんな風に式を執り行って、こんな方をお呼びしましたよ」と先手を打ってご案内が出来るんです。 どうしても葬儀の際には余裕がなくなってしまうご遺族様がほとんどですから、式が終わってから「こうした方が良かった」とおっしゃられる方が多いんです。

本当は事前相談でご相談に乗れるのが1番良いのですが、せめてリピートのお客様には、前回の葬儀の情報を事前にこちらでご用意させていただき、少しでも安心して後悔のないお別れをしていただきたいと考えています。

リピートのお客様には、前回担当した社員が必ずどこかでお客様と顔を合わせる機会も設けています。
当社では四十九日や三回忌など、何度かご自宅を訪問しますから、社員のお顔を覚えてくださっているお客様も多いんです。

お客様に安心していただく方法は色々とあると思いますが、当社では「花安には馴染みの社員さんがいる」とか、「花安の社員みんなが自分を知ってくれているんだな」とお客様に感じていただくことが重要だと考えています。

極端な例かもしれませんが「いつものください!」と言えば、いつも頼んでいる料理が出てくるお店のような感覚でしょうか。

確かに、お互いの顔を知っていることは安心感に繋がりますよね。
渡辺:はい、ですからそういった会社になって、お客様との距離も縮められたらいいですね。

当社の葬儀は分業制で進めるため、現状引き継ぎの際には、社員同士が顔を合わせて情報共有をしています。1つの葬儀に携わる社員全員が、同じ情報を共有していることはとても重要だからです。

しかし今後は、もっと細かなニュアンスも含めデータ化し、顔を合わせずとも共有できる形に仕上げていきたいと思っています。
つまり、先日とは違う社員に同じ話をしたら「この前伺いましたよ」と、お話が出来るようにしたいんです。

繰り返しになりますが「この人達はしっかり情報を共有していて、私達のことを知っているんだ」と感じていただきたいんです。

本当に幅広い情報を残していますから「こういうことに気を付けよう」とか「こんな風に声をかけよう」と、顔を合わせずとも社員全員で共有できるのが理想ですね。

社内で真っ先にデータ化に取り組んだのがこのような顧客情報でしたが、結果的にリスクヘッジにもなっています。

こうして逐一情報をデータ化することで、クレームを早い段階で把握することが出来るようになりました。別の社員に担当に変えた場合でも、クレームとなった理由が共有できていれば、同じミスをすることはありません。

例えばこれが、情報を残していなければ、クレームに繋がる案件があっても共有されないこともあるはずです。結局最後までクレームが明らかにならず、別のクレームに繋がったり、お客様が離れて行ってしまうことにもなります。

情報をデータとして残すことで、クレームの早期発見と対応に役立っているわけですね。
渡辺:そうなんです。
ですからこうしたリスクヘッジという面からみても、顧客データを管理し社内で重要な情報として共有することは、とても大切なことだと思いますね。
今ではお客様の情報だけでなく、葬儀の際にお世話になるお寺さんの情報もまとめています。とにかくお客様やお寺さんなど、お世話になる方々がスムーズに葬儀を進められるようにするのも、私たちの大切な仕事です。

全てはサービスをより良く、円滑に進めるための工夫なんですね。

では最後の質問になります。
これから社員のみなさんには、どういった事を大切にしてほしいとお考えでしょうか。

渡辺:とにかくお客様のお話を聞いて、必要とされる提案をすることを大切にしてほしいです。

例えば、生前に大工として働かれていた方の葬儀があるとしますよね。
その際、まだご遺族の悲しみも癒えないときに、無理やり高いお棺や祭壇を契約していただくのでは、ご納得いただけたとは到底言えません。

「木に囲まれたお仕事をされていたから、上質な木を使ったお棺はいかがですか?」というように、共感しお客様の気持ちに寄り添って、ご納得いただける提案をしてほしいです。

訳も分からないままご購入いただくということは、以前の葬儀業界ではよくあることだったかもしれませんが、やはり当社の社員には、ご遺族様の気持ちに寄り添い、ご納得いただいたうえでご契約をいただく、ということを大切にしてほしいと思います。


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