今回は、株式会社金宝堂の受注課葬祭ディレクターとして活躍する西野様にお話を伺いました。
葬祭業界で経験を重ねる中で、一度は事務部門へと異動し現場を離れた西野様ですが、「もう一度お客様と向き合う現場で仕事がしたい」という想いから転職を決意。現在は、搬送課から引き継いだご遺族様と向き合い、葬儀全体のプランニングを担っています。
分業制の中で“橋渡し役”を担う受注課として、「ご遺族様にとって何が最善か」を考え抜く西野様。
その仕事観や転職の背景、葬儀という仕事の本質について語っていただきました。
西野:あります。今でも覚えています。入社して間もない頃は、火葬式を中心に担当させてもらっていたのですが、あるご遺族様とのお話の中で、「本当にこの形でいいのか」と感じる場面がありました。
そこで、お通夜・告別式を行う形をご提案したところ、ご納得いただけて、初めて一般葬を受注させていただいたんです。そのご葬儀に立ち会わせていただいた際に、「やってよかった」とお言葉をいただけて。あの瞬間は、この仕事のやりがいを強く感じましたね。
受注の際に大切にしていることはありますか。
西野:この仕事は営業ではありますが、単なるセールスではないと思っています。もちろん会社員として売上を立てる責任はありますが、本質は「ご遺族様にとって何が最善か」を考えてご提案することです。
そのためにも、故人様の好きだったものやご趣味など、時間が許す限りヒアリングして、施行課へしっかり引き継ぐようにしています。
施行課との連携で印象的なことはありますか。
西野:施行課の対応は本当にすごいといつも思っています。
例えば、故人様がうなぎが好きだったという情報を引き継ぐと、ご遺族様に内緒でうなぎを用意してお供えするなど、心に残る演出をしてくれるんです。
そういったサプライズは、ご遺族様にとって一生忘れられない体験になりますし、私自身が「この会社はすごいな」と感じたポイントでもあります。
年収面についてはいかがですか。
西野:満足度はかなり高いです。一般的にこの業界はインセンティブの比重が高くて、月によって収入が大きく変動することも多いのですが、金宝堂は年俸制なので、その不安がありません。
夜勤がない中でこの水準の年収が得られるというのは、非常に魅力的だと感じています。
経験者が入社する際に意識すべきことがあれば教えてください。
西野:柔軟性はとても大切だと思います。経験が長いほど、自分のやり方が確立されていると思うのですが、金宝堂は成長スピードが速いがゆえに、やり方が変わることもあります。
その変化に対応できるかどうかが、活躍できるかの分かれ目になると感じています。
成果を出している方の特徴はありますか。
西野:やはり“お客様との対話の質”ですね。特に印象的なのは、小さなYESを積み重ねるのが上手いことです。会話の中で自然と頷きを引き出し、信頼関係を築いていく。
その積み重ねが、最終的な大きなYESにつながっているのだと思います。
今後の目標を教えてください。
西野:まずは上位の成績を残せるようになることですね。その先で、教育に関わるポジションを担えたらと考えています。
現状は教育専門の部門があるわけではないので、将来的にはそういった仕組みづくりにも関われたらいいなと思っています。インプットだけでなく、アウトプットをして人に教えることにもやりがいを感じるタイプなので。
西野:きっかけは、高校1年生の時に父を亡くしたことです。
当時、私は16歳で、妹もまだ中学生でした。
父はまだ若く、突然の出来事だったので、正直気持ちの整理もつかないまま葬儀を迎えました。
葬儀にはたくさんの方が参列してくださって、母も対応に追われて悲しむ余裕もないような状況でしたし、私自身も思春期だったこともあって、人前で泣くこともできず、裏で一人で泣いていたんです。
その時に、担当してくださった葬儀社の方が声をかけてくださって。
「お父さんと会えなくなるのは寂しいよね」と気持ちに寄り添っていただいた上で、こんな言葉をかけてくださいました。
「これはお寺さんから聞いた話なんだけど、人は生まれてから、最初は温もりを教えられて、成長の中で善悪を教えられて、最後には“命の大切さ”を自分の命で教えてくれるんだよ。だから、お父さんに会えなくなることが悲しいんじゃなくて、その死から何も学ばないことの方が、お父さんはきっと悲しいと思うよ」
この言葉が、今でもずっと心に残っています。当時はすぐにすべてを理解できたわけではないですが、「この仕事はすごい仕事だな」と、強く心を動かされました。
さらに、「これからはお母さんと妹を支えていかなきゃいけないね」と声をかけていただいたこともあって、その言葉にも背中を押された気がしています。
それをきっかけに、葬儀という仕事は“人の人生の最期に関わる、特別な仕事”だと感じるようになりました。言葉ひとつでその人の人生観や、その後の生き方にまで影響を与える仕事。
「自分もこういう仕事がしたい」そう思って、この業界を目指しました。
高校卒業後にそのまま葬儀業界に入ったんですか。
西野:いえ、葬儀社に応募はしたのですが、当時は年齢が若すぎるという理由で、何社も不採用になりました。その中で、ある葬儀社の方から「まずは接客を学んでから来た方がいい」とアドバイスをいただいたんです。
それをきっかけに、私はホテル業界に入りました。接客を一から学ぶために、ウェイターやベルマン、フロントなど、さまざまな業務を経験させていただきました。
その中で特に印象に残っているのが、あるお客様への対応で強く叱られた出来事です。
エスプレッソにガムシロップをご希望されたお客様に、そのまま提供したところ、「なぜ温めて持っていかなかったんだ」と指導を受けました。エスプレッソにそのままシロップを入れると温度が下がってしまう。だからこそ、細かな配慮が必要だということを教えられたんです。
また、勉強のためにと、ある喫茶店に行くよう言われ、実際に足を運んでアイスコーヒーを注文したところ、出てきたアイスコーヒーの氷が、すべてコーヒーで作られていたんです。
時間が経っても味が薄まらないようにという工夫で、その分、コーヒーを2杯分使っているわけですよね。それを見たときに、「ここまで考え抜くのがサービスなんだ」と、強く衝撃を受けました。
そうした経験を通じて、サービスとは“言われたことをやる”のではなく、“相手のために何ができるかを考え抜くこと”だと学びました。
その上で、やはり自分の中には「人の最期に関わる仕事がしたい」という想いが強く残っていて、改めて葬儀業界に挑戦し、今に至っています。
これまでのお話を伺っていると、西野さんの中で「葬儀」という仕事に対する想いがとても強いと感じました。最後に、この仕事に対する考えや大切にしていることを教えてください。
西野:人の人生の最期に関わる仕事というのは、やはり簡単なものではありません。
ご遺族様の悲しみに触れる場面も多いですし、自分自身の感情が揺さぶられることも正直あります。
実際に私も、若い頃はご遺族様に感情移入しすぎて、式中に涙してしまい、先輩に厳しく指導されたこともありました。
それでも、そういった経験を重ねる中で、ただ寄り添うだけではなく、プロとしてどう関わるべきかを学んできたと思っています。そして、これまでに学んできた「相手のために何ができるかを考え抜く」という姿勢は、今の仕事にもつながっていると感じています。
だからこそ、ご遺族様にとって後悔のない時間を提供できた時、「やってよかった」と言っていただけた時には、この仕事の価値を強く実感します。
私にとって葬儀というのは、単なるサービスではなく、“究極のサービス業”だと思っています。人の最期に関わり、その後のご遺族様の人生にも少なからず影響を与える仕事だからこそ、一つひとつのご提案や関わり方に責任を持たなければいけないと感じています。
これからも、その想いと、最初にこの仕事を志した原点を忘れずに、一件一件のご葬儀にしっかり向き合っていきたいと思っています。
本日は、ありがとうございました。
【編集後記】 ご遺族様にとって何が最善なのかを考え抜き、形にしていく。その姿勢は、西野様のこれまでの経験すべてに裏打ちされているものだと感じました。
原体験や他業界での学びを経て、改めて現場に戻ることを選んだ西野様。「もう一度お客様と向き合いたい」という想いは、現在の仕事の中で確かな軸となり、一つひとつのご提案に表れているように感じます。
分業制の中で葬儀をつなぐ受注課としての役割を担いながらも、その根底にあるのはあくまで“人に向き合う姿勢”。その積み重ねが、ご遺族様の「やってよかった」という言葉につながっているのだと実感しました。西野様の歩みは、葬祭業界で働く意味や、この仕事の本質を改めて考えさせてくれるものだったように思います。これから業界を目指す方にとっても、大きな示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
葬祭業界で経験を重ねる中で、一度は事務部門へと異動し現場を離れた西野様ですが、「もう一度お客様と向き合う現場で仕事がしたい」という想いから転職を決意。現在は、搬送課から引き継いだご遺族様と向き合い、葬儀全体のプランニングを担っています。
分業制の中で“橋渡し役”を担う受注課として、「ご遺族様にとって何が最善か」を考え抜く西野様。
その仕事観や転職の背景、葬儀という仕事の本質について語っていただきました。

株式会社金宝堂
受注課 西野 伸康(にしの のぶやす)さん
葬祭業界で現場経験を積み、受注業務を中心にキャリアを重ねる。前職では、一時事務部門へ異動し現場を離れるも、「もう一度お客様と向き合う仕事がしたい」という想いから転職を決意。葬祭ジョブを利用して2025年に金宝堂へ入社し、現在は受注課として葬儀全体のプランニングを担っている。
受注課 西野 伸康(にしの のぶやす)さん
葬祭業界で現場経験を積み、受注業務を中心にキャリアを重ねる。前職では、一時事務部門へ異動し現場を離れるも、「もう一度お客様と向き合う仕事がしたい」という想いから転職を決意。葬祭ジョブを利用して2025年に金宝堂へ入社し、現在は受注課として葬儀全体のプランニングを担っている。
「やってよかった」と言われる瞬間が、この仕事のやりがい。
印象に残っているご葬儀はありますか。西野:あります。今でも覚えています。入社して間もない頃は、火葬式を中心に担当させてもらっていたのですが、あるご遺族様とのお話の中で、「本当にこの形でいいのか」と感じる場面がありました。
そこで、お通夜・告別式を行う形をご提案したところ、ご納得いただけて、初めて一般葬を受注させていただいたんです。そのご葬儀に立ち会わせていただいた際に、「やってよかった」とお言葉をいただけて。あの瞬間は、この仕事のやりがいを強く感じましたね。
西野:この仕事は営業ではありますが、単なるセールスではないと思っています。もちろん会社員として売上を立てる責任はありますが、本質は「ご遺族様にとって何が最善か」を考えてご提案することです。
そのためにも、故人様の好きだったものやご趣味など、時間が許す限りヒアリングして、施行課へしっかり引き継ぐようにしています。
施行課との連携で印象的なことはありますか。
西野:施行課の対応は本当にすごいといつも思っています。
例えば、故人様がうなぎが好きだったという情報を引き継ぐと、ご遺族様に内緒でうなぎを用意してお供えするなど、心に残る演出をしてくれるんです。
そういったサプライズは、ご遺族様にとって一生忘れられない体験になりますし、私自身が「この会社はすごいな」と感じたポイントでもあります。
年収面についてはいかがですか。
西野:満足度はかなり高いです。一般的にこの業界はインセンティブの比重が高くて、月によって収入が大きく変動することも多いのですが、金宝堂は年俸制なので、その不安がありません。
夜勤がない中でこの水準の年収が得られるというのは、非常に魅力的だと感じています。
経験者が入社する際に意識すべきことがあれば教えてください。
西野:柔軟性はとても大切だと思います。経験が長いほど、自分のやり方が確立されていると思うのですが、金宝堂は成長スピードが速いがゆえに、やり方が変わることもあります。
その変化に対応できるかどうかが、活躍できるかの分かれ目になると感じています。
成果を出している方の特徴はありますか。
西野:やはり“お客様との対話の質”ですね。特に印象的なのは、小さなYESを積み重ねるのが上手いことです。会話の中で自然と頷きを引き出し、信頼関係を築いていく。
その積み重ねが、最終的な大きなYESにつながっているのだと思います。
西野:まずは上位の成績を残せるようになることですね。その先で、教育に関わるポジションを担えたらと考えています。
現状は教育専門の部門があるわけではないので、将来的にはそういった仕組みづくりにも関われたらいいなと思っています。インプットだけでなく、アウトプットをして人に教えることにもやりがいを感じるタイプなので。
父の死をきっかけに。人生観を変えた言葉と、この仕事を選んだ理由。
そもそもこの仕事を目指したきっかけを教えてください。西野:きっかけは、高校1年生の時に父を亡くしたことです。
当時、私は16歳で、妹もまだ中学生でした。
父はまだ若く、突然の出来事だったので、正直気持ちの整理もつかないまま葬儀を迎えました。
葬儀にはたくさんの方が参列してくださって、母も対応に追われて悲しむ余裕もないような状況でしたし、私自身も思春期だったこともあって、人前で泣くこともできず、裏で一人で泣いていたんです。
その時に、担当してくださった葬儀社の方が声をかけてくださって。
「お父さんと会えなくなるのは寂しいよね」と気持ちに寄り添っていただいた上で、こんな言葉をかけてくださいました。
「これはお寺さんから聞いた話なんだけど、人は生まれてから、最初は温もりを教えられて、成長の中で善悪を教えられて、最後には“命の大切さ”を自分の命で教えてくれるんだよ。だから、お父さんに会えなくなることが悲しいんじゃなくて、その死から何も学ばないことの方が、お父さんはきっと悲しいと思うよ」
この言葉が、今でもずっと心に残っています。当時はすぐにすべてを理解できたわけではないですが、「この仕事はすごい仕事だな」と、強く心を動かされました。
さらに、「これからはお母さんと妹を支えていかなきゃいけないね」と声をかけていただいたこともあって、その言葉にも背中を押された気がしています。
それをきっかけに、葬儀という仕事は“人の人生の最期に関わる、特別な仕事”だと感じるようになりました。言葉ひとつでその人の人生観や、その後の生き方にまで影響を与える仕事。
「自分もこういう仕事がしたい」そう思って、この業界を目指しました。
西野:いえ、葬儀社に応募はしたのですが、当時は年齢が若すぎるという理由で、何社も不採用になりました。その中で、ある葬儀社の方から「まずは接客を学んでから来た方がいい」とアドバイスをいただいたんです。
それをきっかけに、私はホテル業界に入りました。接客を一から学ぶために、ウェイターやベルマン、フロントなど、さまざまな業務を経験させていただきました。
その中で特に印象に残っているのが、あるお客様への対応で強く叱られた出来事です。
エスプレッソにガムシロップをご希望されたお客様に、そのまま提供したところ、「なぜ温めて持っていかなかったんだ」と指導を受けました。エスプレッソにそのままシロップを入れると温度が下がってしまう。だからこそ、細かな配慮が必要だということを教えられたんです。
また、勉強のためにと、ある喫茶店に行くよう言われ、実際に足を運んでアイスコーヒーを注文したところ、出てきたアイスコーヒーの氷が、すべてコーヒーで作られていたんです。
時間が経っても味が薄まらないようにという工夫で、その分、コーヒーを2杯分使っているわけですよね。それを見たときに、「ここまで考え抜くのがサービスなんだ」と、強く衝撃を受けました。
そうした経験を通じて、サービスとは“言われたことをやる”のではなく、“相手のために何ができるかを考え抜くこと”だと学びました。
その上で、やはり自分の中には「人の最期に関わる仕事がしたい」という想いが強く残っていて、改めて葬儀業界に挑戦し、今に至っています。
これまでのお話を伺っていると、西野さんの中で「葬儀」という仕事に対する想いがとても強いと感じました。最後に、この仕事に対する考えや大切にしていることを教えてください。
西野:人の人生の最期に関わる仕事というのは、やはり簡単なものではありません。
ご遺族様の悲しみに触れる場面も多いですし、自分自身の感情が揺さぶられることも正直あります。
実際に私も、若い頃はご遺族様に感情移入しすぎて、式中に涙してしまい、先輩に厳しく指導されたこともありました。
それでも、そういった経験を重ねる中で、ただ寄り添うだけではなく、プロとしてどう関わるべきかを学んできたと思っています。そして、これまでに学んできた「相手のために何ができるかを考え抜く」という姿勢は、今の仕事にもつながっていると感じています。
だからこそ、ご遺族様にとって後悔のない時間を提供できた時、「やってよかった」と言っていただけた時には、この仕事の価値を強く実感します。
私にとって葬儀というのは、単なるサービスではなく、“究極のサービス業”だと思っています。人の最期に関わり、その後のご遺族様の人生にも少なからず影響を与える仕事だからこそ、一つひとつのご提案や関わり方に責任を持たなければいけないと感じています。
これからも、その想いと、最初にこの仕事を志した原点を忘れずに、一件一件のご葬儀にしっかり向き合っていきたいと思っています。
【編集後記】 ご遺族様にとって何が最善なのかを考え抜き、形にしていく。その姿勢は、西野様のこれまでの経験すべてに裏打ちされているものだと感じました。
原体験や他業界での学びを経て、改めて現場に戻ることを選んだ西野様。「もう一度お客様と向き合いたい」という想いは、現在の仕事の中で確かな軸となり、一つひとつのご提案に表れているように感じます。
分業制の中で葬儀をつなぐ受注課としての役割を担いながらも、その根底にあるのはあくまで“人に向き合う姿勢”。その積み重ねが、ご遺族様の「やってよかった」という言葉につながっているのだと実感しました。西野様の歩みは、葬祭業界で働く意味や、この仕事の本質を改めて考えさせてくれるものだったように思います。これから業界を目指す方にとっても、大きな示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
株式会社金宝堂様の企業情報
■男女比 4:6
■残業 20時間程度
■平均年齢 38歳
■夜間当番 なし
■有休消化率 95%
■産休、育休実績の有無 産休・育休実績、復帰実績ともに有り













