今回お話を伺ったのは、施行課の葬祭ディレクターとして日々現場に立つ岡本様。分業制の体制の中で葬儀を支える施行担当として、現場でどのようにご遺族様と向き合い、役割を果たしているのか。働き方の変化の中で感じたことや、現場で大切にしている姿勢について、率直に語ってもらいました。
岡本:そうですね、当日の運営体制や準備の進め方などは、前々職の会社とはかなり違ったので、最初のうちは戸惑いました。
例えば、お別れの前に祭壇のお花を取ってお棺にお手向けする準備一つをとっても、最初の葬儀社では多くのスタッフで短時間に整えられていたものが、今は限られた人数で進めることが多いため、ご遺族様をお待たせする場面が生じることもあります。
現場の人数や役割が違えば、同じ葬儀でも進み方は変わるんだなと実感しました。ただ、それを単純に良い悪いで分けるというよりは、会社ごとにやり方が違うということだと思っています。
入社して良かった点を教えてください。
岡本:月間シフトがきちんと出ることですね。自分の休みが事前に把握できるので、予定も立てやすいですし、働き方としてはかなり安定していると思います。
残業時間そのものはそこまで大きく変わっていませんが、夜間の泊まり勤務がなくなったこともあって、体の負担という意味では以前より楽になって、生活リズムが作りやすくなりました。
働く仲間との関わり方についてはいかがですか。
岡本:施行の現場は、その日ごとに一緒に入るメンバーが変わります。
入社して1年半くらい経ちますが、それでもまだ「はじめまして、よろしくお願いします。」となる日があります。毎回同じチームではないので、当日のうちに関係性をつくって、連携しながら進めていく必要があります。
毎回メンバーが違うとなると、最初のコミュニケーションが大事になりそうですね。
岡本:そうですね。しかも、それぞれ別の葬儀社出身だったりして、細かな進め方や感覚が違うこともあります。だからこそ、特別なことをするというより、まずは明るく挨拶をすることを意識しています。それだけでも現場の空気はかなり変わりますね。
現場での連携面で意識していることはありますか。
岡本:お客様の前ではもちろん落ち着いて対応しますが、スタッフ同士ではしっかり声を掛け合って、やりやすい雰囲気をつくるようにしています。先輩後輩もありますが、見ただけでは分からないことも多いので、最初はできるだけ丁寧に入るようにしています。話していくうちに、実は先輩だった、後輩だったということが分かることもありますね。
人間関係の部分で難しさを感じることはありますか。
岡本:どうしても相性はあると思いますが、仕事なのでそこはあまり気にしすぎないようにしています。それよりも、その日をどう円滑に進めるかの方が大切ですね。
仲良くなった方とは仕事終わりに食事に行くこともあります。普段からそういった関係ができていると、困ったときに相談しやすいという良さもありますので。
岡本:サプライズのご提案ですね。
故人様がお好きだったものを式の中でお供えしたり、メッセージカードをご用意したりといった取り組みがあります。ご遺族様に喜んでいただけることも多く、家族葬だからこそ一つひとつの演出が印象に残りやすいと感じています。
サプライズを行ううえで難しさを感じることはありますか。
岡本:やはり事前の情報の精度ですね。
例えば「ビールが好きでした」と引き継ぎがあっても銘柄までは分からない場合もありますし、「果物が好きでした」といった情報だけだと、何をご用意するのが適切か迷うこともあります。
そういった場合は無理に形にするのではなく、メッセージカードなど、できる範囲でご遺族様に喜んでいただける方法を考えるようにしています。できるだけ自然で無理のない形でご提案することを大切にしています。
社内に情報共有の場はありますか。
岡本:実際に行ったサプライズの内容を社内で共有する仕組みがあって、他のスタッフの取り組みを見ることができます。「こういうやり方もあるんだ」と参考になることも多いですね。
例えば、写真を手書き風のイラストに加工してお渡しするといったアイデアもあって、そういった小さな工夫の積み重ねが、現場の幅を広げていると感じています。
これからの目標を教えてください。
岡本:今後もできれば施行担当として経験を積んでいきたいですね。やはり自分には当日の現場対応の方が合っていると思いますし、ご遺族様と接する距離感も、このポジションの方が自分はやりやすいと感じます。
目標にしているのは、ベテランスタッフの方々の知識量です。宗派ごとの違いや、作法の細かな意味、ご遺族様から質問された時にすぐに答えられる知識など、そういった部分はやっぱり経験豊富な方が強いですね。
今はネットで調べれば出てくることも多いですし、事前に確認しながら対応できる場面もありますが、それでもその場で自然に答えられる知識があるのは大きいと思います。自分も少しずつそういう引き出しを増やしていきたいです。
最後に、これから入社される方へのメッセージをお願いします。
岡本:経験者の方ほど、最初は会社ごとの違いに戸惑うかもしれません。
システムも違いますし、引き継ぎの見方や見積もりの確認、手配漏れのチェックなど、最初につまずきやすいポイントはいくつかあると思います。だからこそ、最初は焦らず、一つひとつ確認しながら覚えていくことが大事ですね。
それと、コミュニケーションがやはりとても大切だと思います。
この仕事はいろいろな人と関わりながら進めるので、挨拶をきちんとすること、連携を取ること、それだけでも仕事のやりやすさはだいぶ変わります。
特に一貫担当制を経験してきた方は、分業制の流れに慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、その中で自分なりのやり方を見つけていければ、施行の仕事にしっかり向き合える環境だと思います。
本日は、ありがとうございました。
【編集後記】 分業制という体制の中で働く岡本様のお話から感じたのは、「任された役割にどう向き合うか」という姿勢でした。
ご遺族様ごとに異なる状況に合わせ、踏み込みすぎず、距離を取りすぎない。そのバランスを見極めながら対応する姿には、施行担当としての経験と意識の高さが感じられました。一貫担当制から分業制へと働き方が変わる中で、自分なりのやり方とやり甲斐を見つけていく過程は、これから業界を目指す方にとっても大きなヒントになるのではないでしょうか。

株式会社金宝堂
施行課 岡本 悠矢(おかもと ゆうや)さん
新卒で葬祭ディレクターとしての経験を積んだ後、建築営業職を経て、再び葬祭業界へ。葬祭ジョブを利用して転職活動を成功。
現在は同社の施行課に所属し、葬儀当日の進行やご遺族様対応を担当している。分業制の現場の中で柔軟に役割を担いながら、安定した施行運営を支えている。
施行課 岡本 悠矢(おかもと ゆうや)さん
新卒で葬祭ディレクターとしての経験を積んだ後、建築営業職を経て、再び葬祭業界へ。葬祭ジョブを利用して転職活動を成功。
現在は同社の施行課に所属し、葬儀当日の進行やご遺族様対応を担当している。分業制の現場の中で柔軟に役割を担いながら、安定した施行運営を支えている。
入社後のギャップと、日々変わるチームでの働き方
入社前後に感じたギャップはありましたか。岡本:そうですね、当日の運営体制や準備の進め方などは、前々職の会社とはかなり違ったので、最初のうちは戸惑いました。
例えば、お別れの前に祭壇のお花を取ってお棺にお手向けする準備一つをとっても、最初の葬儀社では多くのスタッフで短時間に整えられていたものが、今は限られた人数で進めることが多いため、ご遺族様をお待たせする場面が生じることもあります。
現場の人数や役割が違えば、同じ葬儀でも進み方は変わるんだなと実感しました。ただ、それを単純に良い悪いで分けるというよりは、会社ごとにやり方が違うということだと思っています。
岡本:月間シフトがきちんと出ることですね。自分の休みが事前に把握できるので、予定も立てやすいですし、働き方としてはかなり安定していると思います。
残業時間そのものはそこまで大きく変わっていませんが、夜間の泊まり勤務がなくなったこともあって、体の負担という意味では以前より楽になって、生活リズムが作りやすくなりました。
働く仲間との関わり方についてはいかがですか。
岡本:施行の現場は、その日ごとに一緒に入るメンバーが変わります。
入社して1年半くらい経ちますが、それでもまだ「はじめまして、よろしくお願いします。」となる日があります。毎回同じチームではないので、当日のうちに関係性をつくって、連携しながら進めていく必要があります。
毎回メンバーが違うとなると、最初のコミュニケーションが大事になりそうですね。
岡本:そうですね。しかも、それぞれ別の葬儀社出身だったりして、細かな進め方や感覚が違うこともあります。だからこそ、特別なことをするというより、まずは明るく挨拶をすることを意識しています。それだけでも現場の空気はかなり変わりますね。
現場での連携面で意識していることはありますか。
岡本:お客様の前ではもちろん落ち着いて対応しますが、スタッフ同士ではしっかり声を掛け合って、やりやすい雰囲気をつくるようにしています。先輩後輩もありますが、見ただけでは分からないことも多いので、最初はできるだけ丁寧に入るようにしています。話していくうちに、実は先輩だった、後輩だったということが分かることもありますね。
人間関係の部分で難しさを感じることはありますか。
岡本:どうしても相性はあると思いますが、仕事なのでそこはあまり気にしすぎないようにしています。それよりも、その日をどう円滑に進めるかの方が大切ですね。
仲良くなった方とは仕事終わりに食事に行くこともあります。普段からそういった関係ができていると、困ったときに相談しやすいという良さもありますので。
現場での工夫と今後の目標、これから働く方へのメッセージ
印象に残っている取り組みはありますか。岡本:サプライズのご提案ですね。
故人様がお好きだったものを式の中でお供えしたり、メッセージカードをご用意したりといった取り組みがあります。ご遺族様に喜んでいただけることも多く、家族葬だからこそ一つひとつの演出が印象に残りやすいと感じています。
サプライズを行ううえで難しさを感じることはありますか。
岡本:やはり事前の情報の精度ですね。
例えば「ビールが好きでした」と引き継ぎがあっても銘柄までは分からない場合もありますし、「果物が好きでした」といった情報だけだと、何をご用意するのが適切か迷うこともあります。
そういった場合は無理に形にするのではなく、メッセージカードなど、できる範囲でご遺族様に喜んでいただける方法を考えるようにしています。できるだけ自然で無理のない形でご提案することを大切にしています。
社内に情報共有の場はありますか。
岡本:実際に行ったサプライズの内容を社内で共有する仕組みがあって、他のスタッフの取り組みを見ることができます。「こういうやり方もあるんだ」と参考になることも多いですね。
例えば、写真を手書き風のイラストに加工してお渡しするといったアイデアもあって、そういった小さな工夫の積み重ねが、現場の幅を広げていると感じています。
これからの目標を教えてください。
岡本:今後もできれば施行担当として経験を積んでいきたいですね。やはり自分には当日の現場対応の方が合っていると思いますし、ご遺族様と接する距離感も、このポジションの方が自分はやりやすいと感じます。
目標にしているのは、ベテランスタッフの方々の知識量です。宗派ごとの違いや、作法の細かな意味、ご遺族様から質問された時にすぐに答えられる知識など、そういった部分はやっぱり経験豊富な方が強いですね。
今はネットで調べれば出てくることも多いですし、事前に確認しながら対応できる場面もありますが、それでもその場で自然に答えられる知識があるのは大きいと思います。自分も少しずつそういう引き出しを増やしていきたいです。
岡本:経験者の方ほど、最初は会社ごとの違いに戸惑うかもしれません。
システムも違いますし、引き継ぎの見方や見積もりの確認、手配漏れのチェックなど、最初につまずきやすいポイントはいくつかあると思います。だからこそ、最初は焦らず、一つひとつ確認しながら覚えていくことが大事ですね。
それと、コミュニケーションがやはりとても大切だと思います。
この仕事はいろいろな人と関わりながら進めるので、挨拶をきちんとすること、連携を取ること、それだけでも仕事のやりやすさはだいぶ変わります。
特に一貫担当制を経験してきた方は、分業制の流れに慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、その中で自分なりのやり方を見つけていければ、施行の仕事にしっかり向き合える環境だと思います。
本日は、ありがとうございました。
【編集後記】 分業制という体制の中で働く岡本様のお話から感じたのは、「任された役割にどう向き合うか」という姿勢でした。
ご遺族様ごとに異なる状況に合わせ、踏み込みすぎず、距離を取りすぎない。そのバランスを見極めながら対応する姿には、施行担当としての経験と意識の高さが感じられました。一貫担当制から分業制へと働き方が変わる中で、自分なりのやり方とやり甲斐を見つけていく過程は、これから業界を目指す方にとっても大きなヒントになるのではないでしょうか。
株式会社金宝堂様の企業情報
■男女比 4:6
■残業 20時間程度
■平均年齢 38歳
■夜間当番 なし
■有休消化率 95%
■産休、育休実績の有無 産休・育休実績、復帰実績ともに有り













