グリーフケアの資格5選!取り方や費用の一覧&取得後の仕事の探し方
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公開日:2025.08.07
グリーフケアの資格は、喪失による悲しみに寄り添うスキルの可視化として注目されています。この記事では、グリーフケアに関する代表的な資格5選を比較し、取得方法や費用、学習スタイルなどをわかりやすく解説しました。仕事や転職に活かせるかどうか、通信で取得できるか、国家資格との違いなど、よくある疑問にも丁寧にお答えします。
グリーフケアとは

対象となるのは、配偶者や家族との死別だけでなく、離婚や失恋などの人間関係や失業、病気、災害など人生におけるあらゆる喪失体験です。グリーフケアは医療・福祉・教育・心理・宗教といった多様な分野で重要視されており、看護師や介護職、カウンセラー、教師、宗教者など幅広い専門職が学んでいます。
近年では超高齢社会に伴う死別の増加や、災害・コロナ禍の影響で悲嘆を抱える方が増えており、グリーフケアの必要性は一層高まっています。
グリーフケアの資格5選
グリーフケアに関する資格は複数あり、学べる内容や対象者、取得方法が異なります。ここでは、初心者から実務者まで幅広く活用できる代表的な5つの資格を紹介します。学びのスタイルや費用などもあわせて比較し、自分に合った資格を見つける参考にしてください。グリーフケア・アドバイザー認定講座
グリーフケア・アドバイザー認定講座は、一般社団法人日本グリーフケア協会が主催する資格講座です。日本人が大切な人を失ったときに抱く悲しみの特徴や、心のケアに役立つアプローチ方法を体系的に学びます。講座では、座学で正常・非正常な悲嘆反応への理解を深め、グループワークを通して実践的なケアの方法を身につけます。受講後は、悲しみを抱える方に寄り添うための知識と技術を備えた「グリーフケア・アドバイザー」として活動が可能です。
主催団体 | 一般社団法人日本グリーフケア協会 |
対象者 | グリーフケアを学びたい 18歳以上の方 |
学習形式 | 通学(対面講習) |
受講期間 | 2級:1日 1級:2日間 特級:3日間 |
費用 | 2級:33,000円 1級:55,000円程度(税込) ※特級は非公開 |
試験の有無 | 無し |
取得できる資格 | グリーフケア・アドバイザー®(2級・1級・特級)資格 |
グリーフケア・リテラシー検定試験
グリーフケア・リテラシー検定試験は、ご遺族に接するすべての人が身につけておきたい「悲しみに寄り添う力」を問う検定です。大切な人を亡くした方への対応において、言葉の選び方や態度、必要な手続きへの理解まで、実践的な知識を総合的に確認できます。医療・福祉・葬祭業に関わる人だけでなく、基礎からグリーフケアを基礎から学びたい人にも適しており、社会人としての心がけや配慮力を可視化する手段としても注目されています。
主催団体 | 日本ホスピタリティ検定協会 (一般社団法人) |
対象者 | ご遺族に接する業務に携わる社会人全般 |
学習形式 | 通信 |
受講期間 | 自主学習のため人による |
費用 | 4,950円(税込) |
試験の有無 | 有(CBT方式の検定試験) |
取得できる資格 | グリーフケア・リテラシー検定合格証 グリーフケア・プレゼンター認定 |
グリーフケア士資格認定試験
グリーフケア士資格認定試験は、2021年に全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)と冠婚葬祭文化振興財団が創設した民間資格です。遺族支援の基礎から実践までを幅広くカバーしており、療や介護、警察・消防など、悲しみに直面する現場で働く方にも向けて設計されています。 公式テキストをもとに、グリーフの基本的な理解や、対応における姿勢、言葉がけなどを体系的に学べる内容です。悲しみに寄り添う力を「かたち」にして示せる資格として、現場での信頼にもつながります。
主催団体 | 一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団(全互協が協力) |
対象者 | 葬祭業従業員、医療・介護・救急等の職種、遺族支援に関心がある方 |
学習形式 | 通信(自主学習) |
受講期間 | 自主学習のため人による |
費用 | 27,500円(税込、テキスト代等込) |
試験の有無 | 有(BT方式:〇×・選択・記述) |
取得できる資格 | グリーフケア士(認定証・カード交付) |
グリーフ専門士養成コース
グリーフ専門士養成コースは、一般社団法人日本グリーフ専門士協会が運営する講座です。喪失体験に寄り添うための知識や関わり方を、実践を交えながら段階的に学べます。入門の「ベーシック」から、専門性を深める「アドバンス」「マスター」まで、目的やペースに合わせて選べるのが特徴です。死別や離別に伴う悲しみの受け止め方や支え方を学べるため、日常や仕事に活かしたい方にも適しています。全課程がオンライン対応で、各コース修了後、課題審査を経て資格が認定される仕組みです。
主催団体 | 一般社団法人日本グリーフ専門士協会 |
対象者 | グリーフケアを体系的に学び資格取得を目指す方(誰でも受講可) |
学習形式 | オンライン(Zoom)または通信(音声講座) |
受講期間 | ベーシック:週1回×4回(約1カ月) アドバンス:週1回×8回(約2カ月) マスター:週1回×8回(約2カ月) |
費用 | ベーシック:55,000円 アドバンス:132,000円 マスター:187,000円(各税込) |
試験の有無 | 無(課題提出と審査あり) |
取得できる資格 | グリーフ専門士(ベーシック) ※アドバンス・マスター修了で上位資格 |
グリーフ・ケアカウンセラー養成講座
グリーフ・ケアカウンセラー養成講座は、喪失を抱える方の心に丁寧に寄り添うための専門的なカウンセリングスキルを学べる講座です。カナダの大学で体系化された「グリーフ学」に基づき、理論と実践の両面から段階的にスキルを深めていきます。講義はオンライン中心のため、全国どこからでも受講しやすく、カウンセラーを目指す方はもちろん、自身の経験を支援に活かしたい方にも適しています。すべての課程を修了後、資格が認定されます。
主催団体 | グリーフ・カウンセリング・センター(GCC) |
対象者 | 死別等の喪失体験者、グリーフ支援者志望者、ご遺族と接する職業の方など |
学習形式 | オンライン |
受講期間 | 数ヶ月間(週1回ペース) 上級講座:約2ヶ月(全12回) トレーニング:全11回+試験 |
費用 | 基礎:127,000円 上級:121,000円 魯レーニング:214,500円(税込) |
試験の有無 | 有(筆記試験・面接試験) |
取得できる資格 | GCC認定グリーフ・カウンセラー |
グリーフケアの資格を取得するメリット

仕事でもプライベートでも活かせる
グリーフケアの資格は、特に看護師や介護職、保育士、教員など、人と深く関わる仕事において大きな力になります。喪失を経験した方への声のかけ方や、寄り添い方を学ぶことで、日常の支援にも自信がつきます。資格取得者からは経験に頼った感覚的な対応から、理論に基づいた応対ができるようになったとの声もあり、学びが現場での安心感につながっている点がポイントです。
さらに、家族や友人が悲しみを抱えたときにも、適切な距離感と姿勢で寄り添う力が身につきます。傾聴力や共感力も養われるため、日々のコミュニケーションにも良い変化をもたらすでしょう。
資格手当がつく可能性がある
グリーフケアの資格は、昇進や昇給に反映されるケースがあります。たとえば、介護・福祉業界では、対人支援に関する専門知識を評価し、資格手当を支給している事業所もあります。受験費用を負担し、積極的な取得を進めている事業所もあり、転職の際には確認すると良いでしょう。また、学びを続ける姿勢そのものが評価され、組織内での信頼や役割の広がりにつながるケースも少なくありません。ただし、グリーフケアの資格はあくまで民間資格です。すべての職場で手当が付くわけではないため、事前の確認が大切です。
転職で評価されやすい
グリーフケアの資格は、対人支援への理解や意欲を示す証として、転職活動でもプラスに働くことがあります。とくに看護・介護・心理カウンセラーなど、心のケアが求められる職種では、実務経験とあわせて高く評価されやすい傾向があります。国家資格ではないものの、履歴書や面接での自己PR材料として活用できる点も特徴です。悲しみを抱える方への対応力を可視化できるため、採用担当者からの信頼につながりやすく、即戦力として期待されることも多いでしょう。
グリーフケアの資格に関するよくある質問
グリーフケアの資格について調べるなかで、「どんな仕事に活かせるのか」「通信で取得できるのか」など、気になるポイントも多いはずです。ここでは、よくある質問に答えるかたちで、資格の活用方法や取得方法に関する基本情報をわかりやすく紹介します。
グリーフケアの資格を活かせる仕事は?
グリーフケアの資格は、葬祭業のほか、医療(看護師・緩和ケア・臨床宗教師)や福祉(介護職・相談員)、教育など幅広い分野で活かされています。たとえば、看護師や緩和ケアに携わる方、臨床宗教師や介護職、相談員など、日常的に喪失や悲しみと向き合う職種では、実務に直結する場面も多くあります。また、カウンセラーやスクールソーシャルワーカー、保育士など感情に寄り添う職種とも相性が良く、+αのスキルとして評価されることがあります。ただし、資格だけで就職が決まるケースは少なく、今の仕事に活かす形が一般的です。
グリーフケアの資格は通信で取れる?
グリーフケアの資格取得に関する講座の多くは、通信やオンライン形式に対応しています。自宅で学習できるテキストや動画、Zoomによるオンライン授業など、働きながら無理なく取り組める仕組みが整っている点が特徴です。たとえば、「グリーフ専門士養成コース」や「グリーフ・ケアカウンセラー養成講座」では、オンライン講義に対応しており、遠方からの受講も可能です。ただし、一部の講座では対面での実習やスクーリングが求められることもあるため、事前にカリキュラムの内容を確認しておくことが大切です。
グリーフケアの国家資格はある?
2025年現在、グリーフケアに関する国家資格は存在していません。たとえば「グリーフケア士」などの名称はありますが、いずれも民間団体が認定する資格です。ただし、こうした資格でも、実際の現場で役立つ知識やスキルを体系的に学べる内容となっており、キャリアアップや専門性の強化につなげることは十分に可能です。国家資格ではないからこそ、目的や状況に応じて柔軟に選べるというメリットもあります。
グリーフケアの資格を取得してご遺族の悲しみに寄り添う
グリーフケアの資格取得は、単なる知識の取得にとどまらず、人の心に寄り添う姿勢を深める学びとしても役立ちます。実際に現場で働く方はもちろん、家族や身近な人の支えになりたいと願う方にとっても、大切な一歩になるはずです。自分に合った講座を選び、資格を取得することで、日々の関わりや仕事にも積極的に活用できるでしょう。グリーフケアの資格を取得し、仕事に活かしたいと考えた場合は、葬祭業界への就職も視野に入れてみませんか。
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